桑の葉エキス末に使用されている、マグワ(別名カラヤマグワ、カラグワ、トウグワ、マルベリー、white mulberry)は、中国北部から朝鮮半島原産のクワ科クワ属の落葉高木です。日本でも養蚕や植栽として広く見られます。
生薬としては、
根皮:桑白皮(そうはくひ) ※漢方処方の五虎湯,杏蘇散,清肺湯など医薬品として使用
葉:桑葉(そうよう)
果実:桑椹子(そうしんし)
枝:桑枝(そうし)
と呼ばれており、中でも桑の葉は昔から、鎮咳、解熱、糖尿病による口渇改善作用、滋養強壮などに利用されてきました。また、乾燥葉粉末を茶の代用品とした桑茶は、中風予防や便秘改善、肝機能強化、糖尿病予防などに良いとされています。
桑の葉には、1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin、DNJ、イミノ糖の1種)が含まれており、α-グルコシダーゼ阻害剤として知られています。その他、蛋白質、フラクトース、グルコース、ミネラル、葉緑素、フラボノイド(morusin、kuwanon A)などの成分が多く含まれます。
ブドウ糖の類似物質。小腸で、糖分解酵素α-グルコシダーゼに結合してその活性を阻害する。スクロースやマルトースの分解効率が低下することで、血糖値の上昇が抑制される。
α-グルコシダーゼ阻害による、血糖上昇抑制効果、糖吸収抑制効果
ケルセチン配糖体、ケンフェロール配糖体などの抗酸化成分がLDLコレステロールの酸化を抑制