シトラスアランチュームCitrus aurantiumは、東アフリカ~中国~東南アジア原産のミカン科の常緑小高木です。中国漢方では「枳実(きじつ)」として知られ、気を巡らし凝り固まって動かないものを動かす働きがあるとされています。主に消化不良、消炎・殺菌、抗酸化、吐き気や便秘治療などに使われていました。
シトラスアランチュームは、脂肪細胞からの脂肪酸遊離を促進して脂肪燃焼効率を高める働きをします。その働きを担うのが、シネフリン、N-メチルタイラミン、ホルデナイン、オクトパミンなどです。p-シネフリンの構造はエフェドリンEphedrineに類似していますが、薬理作用は異なっており、シトラスアランチュームは、エフェドラ(マオウ、麻黄/FDAにより販売禁止(2004))の代替品として使用されています。
ミカン科(ダイダイ、ウンシュウミカン、ナツミカンなど)や動物に含まれる苦味成分で、アルカロイド。アドレナリン受容体に働きかけ、脂肪分解と熱生産を促す。漢方の有効成分のひとつと考えられ、血管収縮、血圧上昇、気管支筋弛緩作用などを持つ。
エフェドリンと化学構造が似ており、カフェインや他の興奮剤と一緒に摂取すると、有害事象(心拍数及び血圧に対する作用)が誘発される可能性がある。ANSES(フランス食品環境労働衛生安全庁)の勧告では、p-シネフリン摂取量を20mg/日、p-シネフリンとカフェインを一緒に摂取しないことを盛り込んでいる(2014)。